名古屋地方裁判所 昭和58年(ワ)821号 判決 1988年6月29日
原告
日本産業株式会社
被告
伊丹虎三
ほか一名
主文
一 被告らは、原告に対し、各自金一〇五万七二九〇円を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用はこれを五分し、その四を原告の、その一を被告らの各負担とする。
四 この判決は、第一項に限り仮に執行することができる。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
1 被告らは、原告に対し、各自金二四七三万一九二〇円を支払え。
2 訴訟費用は、被告らの負担とする。
3 この判決は仮に執行することができる。
二 請求の趣旨に対する答弁
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
第二当事者の主張
一 請求原因
1 事故の発生
昭和五四年一〇月五日午後二時五五分ころ、名古屋市瑞穂区瑞穂通三丁目二六番先道路上において、訴外河村勇(以下「訴外河村」という。)運転の普通乗用自動車(以下「原告車」という。)と被告伊丹虎三(以下「被告伊丹」という。)運転の普通貨物自動車(以下「被告車」という。)とが側面衝突した(以下「本件事故」という。)。
2 責任原因
(一) 被告伊丹
本件事故は、原告車が道路左側のガソリンスタンドに入るべくウインカーを出して路上に停車していたところ被告車が高速度で原告車の左側面に衝突してきたものであり、被告伊丹は、前方不注意の過失があるから、民法七〇九条に基づき損害賠償責任を負う。
(二) 被告並松工業株式会社(以下「被告会社」という。)
被告会社は、被告車を保有し、これを自己のために運行の用に供していたものであり、また、本件事故は、被告会社の事業執行中に発生したものである。よつて、被告会社は、自賠法三条及び民法七一五条に基づき損害賠償責任を負う。
3 権利侵害
(一) 訴外河村の傷害及び治療経過
訴外河村は、本件事故により、第九胸椎圧迫骨折、胸部打撲等の傷害を負い、次のとおり治療を受けた。
(1) 昭和五四年一〇月七日から同年一二月二三日まで合計八回社団法人整体協会で整体指導を受けた。
(2) 同年一二月一八日から昭和五五年二月一四日まで藤本病院に通院した(実日数一一日)。
(3) 昭和五四年一二月二四日から昭和五五年一一月二六日まで名古屋大学医学部附属病院(以下「名大病院」という。)に通院した(実日数三八日)。
(4) 昭和五八年から現在まで国立名古屋病院に通院している。
(二) 本件事故により、原告車は大破した。
4 損害
訴外河村は、本件事故により、以下の損害を被つた。
(一) 治療費等 七万五八四〇円
(1) 社団法人整体協会、藤本病院、名大病院、国立名古屋病院の治療費自己負担分として三万八四〇〇円を要した。
(2) シツプ薬添付用サージカルテープ代として、合計三万七四四〇円(一六〇円のもの二三四個)を要した。
(二) 通院交通費 二一万〇四〇〇円
前記各医療機関への通院交通費として合計二一万〇四〇〇円を要した。
(三) 休業損害 一九〇〇万六六八〇円
訴外河村は、原告代表者として毎月三〇万円の報酬を得べかりしところ、本件事故のため就労できず、本件事故時から昭和六〇年一二月末までの間に合計一九〇〇万六六八〇円の損害を被つた。
(四) 慰謝料 四五〇万円
訴外河村が本件事故により被つた精神的苦痛に対する慰謝料は、四五〇万円が相当である。
(五) 原告車の損害(全損) 四五万円
(六) 代車使用料 四八万九〇〇〇円
一日あたり三〇〇〇円、昭和五四年一〇月六日から昭和五五年三月一八日まで一六三日分
(七) 合計 二四七三万一九二〇円
5 訴外河村は、原告に対し、昭和五七年一〇月一日、本件事故による損害賠償債権を譲渡した。
よつて、原告は、被告らに対し、各自二四七三万一九二〇円の支払を求める。
二 請求原因に対する認否
1 請求原因1の事実は認める。
2 同2(一)及び(二)の責任は争う。本件事故は、訴外河村の一方的過失に基づくものである。
3 同3(一)(1)ないし(3)については、訴外河村が主張のような通院をしていること自体は明らかに争わないが、本件事故と傷害及び治療との因果関係は否認する。同3(一)(4)は不知。同3(二)は認める。
4 同4について
(一)及び(二)は不知。(三)ないし(六)は否認する。訴外河村は、本件事故前後を通じて毎月八万円の報酬を得ており、休業損害は発生していない。また、原告車(ダイハツコンソルテクーペ二〇GL五〇年式)の本件事故時の時価は三五万円を超えることはないし、代車料は、一日あたり二〇〇〇円、一四日分合計二万八〇〇〇円が相当である。
5 同5については否認する。
三 抗弁
1 免責
(一) 被告伊丹の無過失及び訴外河村の過失
本件事故現場は、名古屋環状線南行の幅員約一一メートル、片側三車線の直線道路(以下「本件道路」という。)であるところ、被告伊丹は、被告車を運転して制限速度である時速五〇キロメートル以内で中央寄りの第三車線を南進中、進路前方の左側道路より訴外河村運転の原告車が被告車の進行道路に進入してきたのを発見し、左側ハンドルを転把し、第二車線に進路変更した。ところが、間もなく訴外河村が本件事故現場左側に位置するガソリンスタンドに入ろうとしてハンドルを左に転把し、被告車の進路前方に突然進路変更(第三車線から第二車線へ)したため、被告伊丹は、急制動の措置をとると共にハンドルを左へ転把したが間に合わず、原告車の左側面に衝突した。
したがつて、本件事故は、訴外河村の一方的過失により発生したものであり、被告伊丹は無過失である。
(二) 被告車には、構造上の欠陥又は機能の障害はなかつた。
2 過失相殺
仮に被告伊丹に過失があるとしても、その過失の程度はわずかであり、訴外河村の前記過失を斟酌して、八〇パーセントの過失相殺をすべきである。
四 抗弁に対する認否
1 免責の主張について
本件事故態様は、請求原因2(一)記載のとおりであり、被告伊丹の一方的過失により発生したものであり、訴外河村は無過失である。
2 過失相殺の主張は争う。
第三証拠
本件記録中の書証目録及び証人等目録の記載を引用する。
理由
一 請求原因1(事故の発生)の事実は当事者間に争いがない。
二 同2(責任原因)について判断する。
1 事故現場及び原告車の写真であることに争いのない(その余の成立は弁論の全趣旨により認める。)甲第七号証の一ないし三、成立に争いのない乙第三号証、証人森武治郎の証言により真正に成立したものと認められる乙第五号証、同証言、原告代表者の供述(後記措信しない部分を除く。)及び被告伊丹本人尋問の結果を総合すると、以下の事実が認められる。
(一) 被告伊丹は、被告車を運転し、通称瑞穂区三丁目信号交差点を通過し、片側三車線の中央寄りの第三車線を南に向つて進行中、進路左側前方の路外の区役所駐車場から原告車が本件道路へ進入しようとするのを発見した。そして、原告車が前方約四三メートル付近の第二車線に進入し、左転把しながら第三車線に向うように見えたので、被告伊丹は、原告車が第三車線を進行するものと判断し、これを避けるため、被告車の進路を第三車線から第二車線へ変更した。
(二) 他方、訴外河村は、被告車が前記交差点を通過する前から被告車を発見していたが、相当遠くに見えたので、被告車が来る前に安全に本件道路に進入、左折できるものと判断し、前記区役所駐車場から原告車を発進し、本件道路の第二車線に進入し、左折を開始し、つづいて前方左側の路外のガソリンスタンドに進入しようとしてさらにハンドルを左へ切り、第二車線から第一車線をまたぐ位置付近に達したが、歩道に歩行者があつたため、その付近で停車した。
(三) 右と前後して、被告伊丹は、第三車線を進行するものと思つた原告車が被告車と同じ第二車線を進行するので、これを避けるためにさらにハンドルを左へ切つたが、原告車も第一車線へ進路変更したため危険を感じ、急制動の措置をとつたが間に合わず、原告車の左側ドア部分に被告車前部が衝突した。
(四) 本件道路の制限速度は時速五〇キロメートルであるところ、被告車の衝突前の速度は、道路上のスリツプ痕(右前輪一六・五メートル、左前輪一七・三メートル)及びアスフアルト舗装等の道路状況に照らすと、少なくとも時速約五九ないし六三キロメートルは出ていた。
2 これに対し、原告代表者は、原告車が前記ガソリンスタンド前の道路の第一車線上で一〇秒以上停車していたところに被告車が衝突してきた旨供述し、甲第二号証中にも同趣旨の記載部分があり、証人村瀬昇の証言中には、当時、ガソリンスタンド従業員であつた村瀬昇は、原告車が道路上に停車したのを見たが、少し間隔をおいて衝突音を聞いたとの証言があり、甲第三号証中にも同趣旨の記載部分がある。
しかしながら、被告車が単に暴走して第一車線上に停車中の原告車に衝突してきたことを認めるに足りる客観的証拠はない。また、前項掲記の各証拠に照らして、原告車が一〇秒以上停車していたとの原告代表者の供述は措信できないし、証人村瀬昇の証言によつても、同人は、衝突直前の状況を目撃しておらず、原告車の停車時間が数秒であつたのか、それ以上であつたのか明らかではなく、前項の認定を揺るがすまでには至らないし、他に前項の任意を覆すに足りる証拠はない。
3 以上の事実に照らして判断すると、被告伊丹には、少なくとも約九ないし一三キロメートルの速度超過があるところ、仮に制限速度を守り、前方の原告車の動静を十分注意し、減速のうえ適切なハンドル操作を行つていれば、本件事故は容易に回避できたものと推認できるから、この点において速度超過、前方不注意の過失があつたものと認めることができる。
よつて、被告伊丹は、民法七〇九条に基づき損害賠償責任を負う。
4 被告伊丹本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、請求原因2(二)の事実を認めることができ、他にこれに反する証拠はないから、被告会社は、自賠法三条及び民法七一五条に基づき損害賠償責任を負う。
三 請求原因3(権利侵害)について判断する。
1 訴外河村が昭和五四年一〇月七日から同年一二月二三日まで合計八回社団法人整体協会で整体指導を受けたことは被告らにおいて明らかに争わないところであるが、右整体指導が本件事故による傷害に対する必要相当な医療行為であると認めるに足りる証拠はない。
2 訴外河村が昭和五四年一二月一八日から昭和五五年二月一四日まで藤本病院に通院した(実日数一一日)ことは、被告らにおいて明らかに争わないから、これを自白したものとみなす。
弁論の全趣旨により原本の存在並びに真正な成立を認める甲第四号証によれば、訴外河村は、藤本病院において両側胸部挫傷の傷病名で治療を受けていることが認められ、原告車の写真であることに争いのない(その余の成立は弁論の全趣旨により認める。)乙第七号証の一ないし五及び原告代表者の供述によれば、原告車の左側ドア部分は全面的に大きく凹損していること、衝突時の衝撃の程度は相当大きなものであり、この衝撃により訴外河村は胸部及び背部を打つたことが認められ、したがつて、本件事故と藤本病院における両側胸部挫傷の治療との相当因果関係はあるものと推認することができ、他にこれを覆すに足りる証拠はない。
3 訴外河村が昭和五四年一二月二四日から昭和五五年一一月二六日まで名大病院に通院した(実日数三八日)ことは、被告らにおいて明らかに争わないから、これを自白したものとみなす。
ところで、成立に争いのない甲第三七号証並びにこれにより原本の存在及び真正な成立を認める甲第五号証の一、二及び第六号証によれば、訴外河村は、名大病院において、第九胸椎圧迫骨折、胸部打撲の傷病名で治療を受けていること、右第九胸椎圧迫骨折は、昭和五五年一月四日のレントゲン撮影により、同月九日ころには判明していること、同病院の見松医師による同年三月五日付診断書には、「同年三月一二日のレントゲン写真断層では数か月前の外傷によるものと思われる」旨の記載があること、同病院の杉浦医師による昭和五六年四月一〇日付診断書には、「昭和五四年一〇月五日交通事故によると考えられる」旨の記載があることがそれぞれ認められる。
なお、証人杉浦勲の証言によれば、第九胸椎圧迫骨折は、一般に追突などの外傷により生ずることはまれであるが、外傷として物が直接第九胸椎に当たつた場合などには容易に生じうること、また、他の病気によつて生じる可能性もあるが、訴外河村の場合他の病気によるものとの判断がつかず、結局、本件交通事故により生じた可能性も否定できないことが認められる。
以上の事実を総合して判断すると、他原因によるものとの証明がない以上、一応本件事故と第九胸椎圧迫骨折との相当因果関係はあるものと推認することができ、他にこれを覆すに足りる証拠はない。
そして、前掲甲第三七号証及び証人杉浦勲の証言によれば、訴外河村の前記傷害は、昭和五五年一一月二六日略治したものと認められ、他にこれを左右するに足りる証拠はない。
4 弁論の全趣旨により真正な成立を認める甲第四〇号証によれば、訴外河村は、国立名古屋病院において外傷性頭頸部症候群の傷病名で昭和五八年以降昭和六二年八月ころまで通院して治療を受けていることが認められるが、前記のとおり第九胸椎圧迫骨折、胸部打撲は昭和五五年一一月二六日略治したこと、国立名古屋病院における傷病は、部位、病名とも明らかに名大病院におけるそれとは異なること、しかも、訴外河村は、名大病院の治療を終えてから二年以上も経過し、かつ、本訴を提起した昭和五八年に至つて国立名古屋病院の通院を開始したこと等にかんがみると、甲第四〇号証のみでは、本件事故と国立名古屋病院における治療との相当因果関係を認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠もない。
5 本件事故により原告車が大破したことは当事者間に争いがない。
四 請求原因4(損害)について判断する。
1 治療費等
弁論の全趣旨により真正な成立を認める甲第一二号証ないし第一四号証によれば、訴外河村は、治療費の自己負担分として、藤本病院分三六〇〇円、名大病院分六一〇〇円、合計九七〇〇円を要したことが認められるが、サージカルテープ代については具体的な立証がなされていないし、原告主張のその余の治療による損害については、相当因果関係ある損害と認めるに足りる証拠はない。
2 通院交通費
原告代表者尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、藤本病院及び名大病院へのタクシー及びバスによる通院交通費として合計三万五二〇〇円(訴状における当初の請求額)を要したことが認められるが、原告主張のその余の通院交通費については、相当因果関係ある損害と認めるに足りる証拠はない。
3 休業損害
訴外河村の前記傷害及び治療経過に照らすと、本件事故後一定期間就労が制限されたであろうことは推認しうるが、弁論の全趣旨により真正な成立を認める甲第三八号証の一、二、第三九号証の一ないし九によれば、訴外河村は、昭和五四年一月から昭和五五年一二月までの間、原告代表者として毎月八万円の役員報酬を継続して受領していた(事故の前後で全く変動がない。)ほか、不動産収入があり、年金を受給していたこと、したがつて、本件事故後名大病院の治療を終えた前記昭和五五年一一月二六日までの間、就労不能に基づく現実的な休業損害を被つてはいないものと認めることができ、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。
なお、前掲甲第三九号証の五ないし七によれば、訴外河村は、本訴提起後の昭和五八年七月に至り、にわかに前月まで原告代表者として受けていた毎月八万円の役員報酬を全く受領しなくなつたことが認められるが、この時期に対応する国立名古屋病院の治療については本件事故と相当因果関係を認めることができないことは前判示のとおりであり、したがつて、原告主張のその余の期間の休業損害も認めるに足りる証拠はない。
4 慰謝料
訴外河村の前記傷害及び治療経過その他諸般の事情を斟酌すると、訴外河村が被つた精神的苦痛に対する慰謝料は、一二〇万円が相当と認めるられる。
5 原告車の損害
成立に争いのない甲第八号証及び弁論の全趣旨によれば、修理代相当の四三万九二五〇円の限度で損害と認めることができるが、これを超える損害を認めるに足りる証拠はない。
なお、被告らは、原告車の事故当時の時価は三五万円を上回ることはない旨主張するが、これを認めるに足りる客観的な証拠はない。
6 代車料
前掲甲第八号証及び弁論の全趣旨によれば、原告車の修理代見積は昭和五四年一〇月一七日に行われていること、通常修理に要する期間は二週間程度で足りること、代車料は一日あたり三〇〇〇円が相当であること、したがつて、二六日分合計七万八〇〇〇円の限度で損害と認めることができる。
なお、甲第九号証によれば、昭和五四年一〇月六日から昭和五五年三月一八日までの一六三日間の代車料の請求がなされていることがうかがえるが、右認定の金額を超える部分については相当因果関係のある損害と認めるに足りる証拠がない。
7 以上合計 一七六万二一五〇円
五 請求原因5について判断する。
成立に争いのない甲第二〇号証によれば、訴外河村が原告に対し、昭和五七年一〇月一日、本件事故による損害賠償債権を譲渡したことが認められ、これに反する証拠はない。
もつとも、右債権譲渡に関する債務者への通知については明確な証拠がなく、その効力(特に対抗力)については疑問がないではないが、被告らからこの点についての積極主張がないので、一応有効であることを前提として判断を進めることとする。
六 抗弁について判断する。
1 免責の主張
前記二3判示のとおり、本件事故について被告伊丹に過失があるから、免責の主張は理由がない。
2 過失相殺の主張
前記二1認定の本件事故態様に照らして判断すると、訴外河村にも被告車に対する安全確認義務を怠つた過失があり、事故発生の誘因を与えたのは原告車であるといえるが、原告車が被告車の進路直前に割り込んだというものではなく、被告伊丹が制限速度を守り、かつ、原告車を発見後その動静を十分注意していれば、安易に左側車線へ進路変更するのではなく、減速のうえ適切なハンドル操作を行い、本件事故を容易に回避できたものというべきである。そして、両者の過失を比較し、その他諸般の事情を斟酌して、訴外河村の損害につき四割の過失相殺をするのが相当である。
そうすると、賠償すべき損害額は一〇五万七二九〇円となる。
七 結論
以上の次第で、原告の本訴請求は、被告らに対し、各自一〇五万七二九〇円の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余は失当として棄却することとし、訴訟費用の負担については民訴法八九条、九二条、九三条を、仮執行の宣言について同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 芝田俊文)